伊東の蕎麦屋余談

蕎麦屋歴70年、御年90歳の老爺が語る蕎麦屋談義は、なかなか興趣深い。

蕎麦屋にはいろんな客が、来る。

この店は、伊豆らしい酒の肴もある。昼酒できる蕎麦屋らしく、酒仙もどきの、嘘だか本当だかわからない客もある。

なかには、酒を蕎麦にかけて食するのが美味いと豪語し、蕎麦通を騙る御仁もいたそうだ。

店主の老爺も半信半疑で、言われた通り、せいろそばをちょこっと残し、酒をかけて賞味したところ、これが美味い!

たしかに、蕎麦屋の酒は、美味い。

(参考:蕎麦に酒をかけて食す

池波正太郎「鬼平犯科帳」の作品中、盗っ人に乞われた気弱な用心棒が、丼飯に酒をかけて、酒茶漬けが美味いと豪語し、一気にかき込んで食うシーン。

嘘か真か、思わず脳裏に浮かび、吹き出し大笑いしてしまい、釣られて老爺も大笑い!

実に幸せなひとときを感じる。

そうか!それなら、焼酎で蕎麦に試してみようかと老爺に尋ねると、焼酎は合わないとのこと。

老爺曰く。「まぁ、蕎麦屋にはいろんな客が来ますよ」

Last Updated on 2026年1月18日 by plough